浜岡原発耐震データ改ざんがもたらすシステム的機能不全と機会損失

判定:正しくない

### Topic
浜岡原発耐震データ改ざんがもたらすシステム的機能不全と機会損失

### Summary
中部電力による浜岡原子力発電所の耐震データ改ざん問題が2025年2月に外部通報で発覚した。同社は浜岡原発の再稼働審査において、基準地震動を策定する際に地震の揺れを意図的に過小評価するようデータを不正に操作していた疑いが持たれている。原子力規制委員会はこの行為を「安全審査の根幹を揺るがす深刻な不正行為」と批判し、審査を停止した。

### Body
中部電力による浜岡原子力発電所の再稼働審査における耐震データ改ざん問題は、[2025年2月](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)に原子力規制委員会への外部通報によって発覚した。この通報を受け、原子力規制庁は[2025年5月](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)から中部電力への面談調査を開始した。この問題は、中部電力が浜岡原発の耐震設計の目安となる「基準地震動」(想定される最大の揺れ)を策定する際、意図的に地震の揺れを過小評価するようデータを不正に操作していた疑いが持たれている。特に悪質とされているのは、原子力規制庁が調査を開始した[2025年5月以降](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)も、中部電力が都合の良い形でデータを不正に操作し続けていたことである。[2026年3月](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)には、中部電力が策定に使われた地震動[225ケースのうち、少なくとも108ケース](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)で意図的なデータ操作があったと発表した。[2026年7月1日](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)の原子力規制委員会の定例会合では、規制庁が新たに[63ケース](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)について不正なデータ操作の手法を報告し、調査対象の[225件のうち69件](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)が規制庁の調査開始後に不正に組み替えられたデータに該当することが判明した。原子力規制委員会の山中伸介委員長は、この不正行為を「安全文化の劣化以前の問題、技術者の倫理観の喪失」と厳しく非難し、「不正隠しが行われていたのではないか」と推測している。

中部電力は、浜岡原発3号機と4号機の再稼働に向けた安全審査において、耐震設計の基準となる「基準地震動」の策定に関して、原子力規制委員会への説明と異なる方法でデータを選定していた。具体的には、本来は複数のモデルから適切なものを選ぶべきところを、「揺れが小さくなる(都合の良い)データ」を意図的に抽出していたと指摘されている。規制委員会への説明では、[20の地震波](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)から平均に最も近い波を「代表波」として選ぶとしていたが、実際には先に[1つの波](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)を意図的に選定し、それが平均に最も近い「代表波」になるよう、他の[19の波](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)を恣意的に選ぶなどして「基準地震動」を不正に設定していた。外部委託業者に対しては、事前に提示した基準以上になった揺れは除外するように求め、多数の揺れの中から代表的な揺れを決める際に、選んでほしくない揺れに△、影響が懸念される揺れに×印を示してもらい、その意見を踏まえて代表波を決定していた。原子力規制委員会は、この不正行為を「捏造(ねつぞう)や改ざんにあたる」と極めて厳しく批判し、「安全審査の根幹を揺るがす深刻な不正行為」として審査を停止した。経済産業大臣は、[電気事業法第106条第3項](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)の規定に基づき、中部電力に報告を求めている。原子力規制委員会は、[原子炉等規制法](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)に基づく「報告徴収命令」を中部電力に決定し、不正に至った経緯や原因、是正措置などを[2026年3月31日](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)までに報告するよう求めている。虚偽報告をした場合は罰則の対象となる。静岡県の鈴木康友知事は、中部電力の不正行為継続に対し「誠に遺憾」とコメントし、県への報告と県民への丁寧な説明を強く求めている。

中部電力のデータ改ざん問題は、原子力規制庁による[2025年5月](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)からの面談調査、その後の立ち入り検査、そして第三者委員会による調査など、多大な人的・時間的リソースを消費している。中部電力社内では、原子力部門の複数部署が不正に関与していたことが明らかになっており、企業としてのガバナンス強化や部門間の閉鎖性打破などの改革が喫緊の課題となっている。原子力規制委員会は、中部電力の上層部の関与の有無についても解明するよう規制庁に指示しており、これには追加の調査とリソースが必要となる。中部電力は、外部弁護士で構成される第三者委員会を設置し、不正の具体的な調査を進めている。この委員会の運営にも費用と時間がかかっている。中部電力の浜岡原発3号機と4号機の再稼働に向けた安全審査は、今回のデータ不正問題により「白紙」となる見通しであり、[約12年にわたる審査プロセス](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)が無駄になった可能性がある。原子力規制委員会は、審査書類への虚偽記載について[原子炉等規制法](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)に罰則を設けることを検討しており、データの算出過程を示す資料の作成も義務づける方針である。これにより、今後の審査プロセスはさらに複雑化し、長期化する可能性がある。規制庁が調査を開始した[2025年5月以降](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/)も中部電力が不正なデータ操作を続けていたことは、規制当局の調査プロセスに対する意図的な妨害であり、規制当局の信頼性と効率性を著しく損ねた。原子力規制委員会の委員からは、中部電力の行為が「審査に要した国費を無駄にするような行為」であるとの厳しい指摘が出ている。

中部電力のデータ改ざん問題は、原子力規制委員会が他の原子力事業者の安全文化の劣化を検知できていない可能性を露呈させ、規制体制の抜本的見直しを求める声が上がっている。これにより、他の原発の審査や規制活動に割かれるべきリソースが、中部電力の不正問題の対応に集中せざるを得ない状況が生じている。政府が原発を最大限活用する方針を打ち出している重要な時期に、電力業界全体で信頼を失墜させる事態となり、原子力政策の推進に大きな足かせとなっている。浜岡原発周辺の御前崎市、菊川市、掛川市、牧之原市の市長らは、国に対し審査体制の見直しと原因究明を要請しており、地元自治体との信頼関係再構築に多大な労力と時間を要する。中部電力のデータ改ざん問題は、原子力の利用の大前提である安全性に対する国民の信頼を大きく損ない、原発の「安全神話」の崩壊を加速させている。この信頼の回復には長期的な時間と多大な努力が必要となる。浜岡原発の再稼働は極めて困難な状況となり、中部電力にとって「悲願」であった再稼働の機会が事実上失われる可能性が高い。これにより、火力発電への依存による燃料費増や、1・2号機の廃炉コストが収益を圧迫し続けることが予想される。原子力規制委員会の山中委員長は、中部電力の不正行為が「国際的な基本安全原則を無視した」ものだと指摘しており、日本の原子力規制の国際的な信頼性にも悪影響を及ぼす可能性がある。今回の不正は、過去に複数の電力会社で発覚した発電設備等のデータ改ざん問題([2006年](https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/))と同様に、電力業界全体の企業倫理と安全文化のあり方を改めて問い直す深刻な教訓を投げかけている。

### Verification
原子力規制庁は2025年5月から中部電力への面談調査を開始し、2026年7月1日には不正なデータ操作の手法を報告した。中部電力は外部弁護士による第三者委員会を設置し調査を進めており、原子力規制委員会は上層部の関与解明と2026年3月31日までの報告徴収命令を出している。

### Supplement
この問題は、政府が原発活用方針を打ち出す重要な時期に発生し、電力業界全体の信頼を失墜させた。過去の発電設備データ改ざん問題(2006年)と同様に、企業倫理と安全文化のあり方を問い直す教訓となっている。原子力規制委員会の山中委員長は、国際的な基本安全原則を無視した行為だと指摘している。また、国民の原発への「安全神話」の崩壊を加速させている。

### Evidence
出典URL: `https://www.japantimes.co.jp/news/2026/07/01/japan/chubu-electric-data-fraud-continue/`

上記URLは、2025年2月、2025年5月、2025年5月以降、2026年3月、2026年7月1日などの日付情報、地震動225ケース中少なくとも108ケース、新たに63ケース、調査対象225件中69件、20の地震波、1つの波、19の波、約12年にわたる審査プロセス、2006年などの数値データ、および電気事業法第106条第3項、原子炉等規制法といった法令の参照元として示されています。