憲法改正を巡る政治と市民の対立
判定:正しくない
### Topic
憲法改正を巡る政治と市民の対立
### Summary
日本国憲法は1947年の施行以来79年間改正されておらず、高市早苗首相と自由民主党は「自衛隊の明記」「緊急事態対応」を含む4項目での改正を推進している。これに対し、市民団体は9条改悪や緊急事態条項導入のリスクを指摘し強く反対。世論調査では改正の必要性や進め方について国民の意見が二分されている。
### Body
日本国憲法は1947年5月3日の施行以来、79年間一度も改正されていない。憲法改正には、国会の発議(衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成)と国民投票による承認(過半数の賛成)が必要とされる。自由民主党は結党以来、「現行憲法の自主的改正」を党是とし、憲法改正の条文イメージとして「自衛隊の明記」「緊急事態対応」「参議院の合区解消」「教育の充実」の4項目を提案している。
高市早苗首相は2026年5月3日の憲法記念日に際し、憲法は「時代の要請に合わせて定期的な更新が図られるべきだ」と述べ、改憲への意欲を改めて示した。さらに、2026年5月上旬には、来年の党大会までに憲法改正の発議にめどを付けたいと発言し、具体的なタイムスケジュールに言及した。2026年6月18日には、憲法改正の具体的な手続きを定めた国民投票法改正案が衆議院の憲法審査会で、共産党を除く与野党の賛成多数により可決された。この改正案には、投票立ち会い人選任要件の緩和などが盛り込まれている。
**推進派の主張:**
高市早苗首相は、憲法が国の礎であり根幹であるからこそ、その価値を摩滅させないためにも「時代の要請に合わせて本来定期的な革新が図られるべき」と主張している。自由民主党も、憲法が制定・施行されてから70数年間一度も改正が行われておらず、大きく変化した国内外の環境に合わせて憲法にもアップデートが必要であるとの認識を示している。自民党は、自衛隊の活動が多くの国民の支持を得ているにもかかわらず、憲法学者の中には違憲論を唱える者がいる現状を問題視し、憲法改正により自衛隊を憲法に位置づけ、「自衛隊違憲論」を解消すべきだと主張している。具体的には、現行の9条1項・2項とその解釈を維持しつつ、自衛隊を明記し、自衛の措置(自衛権)についても言及すべきとしている。緊急事態条項の創設については、高市首相が東日本大震災のような大規模災害やテロなどに備え、国が迅速な対応を取るために必要であると述べている。これにより、緊急時においても国会の機能を維持しつつ、それが難しい場合は内閣の権限を一時的に強化し、迅速に対応できる仕組みを憲法に規定すべきとしている。参議院の合区解消は、人口減少が進む地域で合区が発生し、地方の民意が反映されにくくなっている現状を改善するため、各都道府県から必ず1人以上選出されるようにすべきだと自民党は提案している。教育の充実に関して、自民党は現行憲法では義務教育の無償化のみがうたわれているが、家庭の経済的事情に左右されない教育環境の充実が必要だと主張している。日本維新の会は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置の3点に絞り込み憲法改正原案を取りまとめており、憲法改正に前向きな国会議員が衆参両院で3分の2以上を占める現状で、議論を深めて国民に選択肢を示すべきだと主張している。国民民主党も、憲法の規範力を高めるための議論を進めるとしており、データ基本権、同性婚の保障、子どもの権利保障、首相の解散権の制限、臨時国会の召集期限の明文化、憲法裁判所の設置、緊急時における行政府の権限を統制するための緊急事態条項、憲法9条などを議論・検討する項目として挙げている。
**反対派の主張と懸念:**
憲法改正に反対する市民団体も活発な動きを見せている。「9条改憲NO!全国市民アクション」は、2017年に安倍政権下での憲法9条改正の動きに反対するため結成され、安倍首相辞任後も自民党政権下で進められる憲法改正に強く反対している。同団体は「九条の会」や「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などの市民団体と連携し、署名活動やデモ情報の掲載を行っている。市民連合は、2026年4月から「憲法9条改悪に反対する請願署名」を開始し、4月16日には新宿駅東南口でキックオフ集会を実施した。市民団体は、日本政府が近年、防衛予算の増額や安全保障政策の見直しを進め、戦後日本が歩んできた平和路線から逸脱しつつあることに懸念を示している。憲法9条の改正は、海外での無制限の武力行使に道を開き、戦後日本の「平和国家」としての国の形を「戦争国家」へと作り替えるものだと批判されている。特に、自民党の憲法9条改正案(自衛隊明記案)は、9条2項の戦力不保持の制約が自衛隊に及ばないようにし、「自衛の措置」を口実に集団的自衛権の全面的な行使、すなわち海外での無制限の武力行使を可能にするものだと指摘されている。自民党の小選挙区候補(東京13区)が、平和や安全を継続するために「場合によっては(国民に)血を流してもらわないといけない」と発言したことは、市民団体から強く批判されている。憲法9条は、第二次世界大戦の悲惨な結末に学び、恒久平和を宣言したものであり、時代遅れどころか、戦争のない世界を築く最も確かな保証であり、全世界に広げていかなければならないという意見も存在する。緊急事態条項の導入に対しては、緊急事態において内閣総理大臣に権力を集中させ、国民の権利を一括して制限できる仕組みの導入であり、政府にとって都合の良い「強い国」を作るための道具として憲法が利用されるリスクがあるとの懸念が示されている。憲法改正手続法については、国民投票運動における言論や表現の自由の最大限の尊重、公務員や教育者を含めた運動規制ゼロが原則との立場に立つべきだという意見が出されている。また、投票期日直前のテレビ等のスポットコマーシャルは禁止すべきであり、大きな団体や国会議員を多数抱える政党が有利に扱われないよう配慮すべきとの意見もある。日本弁護士連合会は、憲法9条の改正議論に対し、立憲主義を堅持し、恒久平和主義の尊重を求める立場から課題ないしは問題を提起するとともに、憲法改正手続法の見直しを求める決議を採択している。「新日本婦人の会中央本部」は、高市政権が改憲に前のめりとなり、戦後最大の憲法の危機と言われる状況の中、「私たちは戦争につながる憲法改悪に反対します-憲法9条改悪に反対する請願署名」を開始し、9月の臨時国会での提出を予定している。2026年7月12日には、東京・渋谷で市民が集会を開き、政府による軍備拡張と平和憲法の改正に反対の声を上げた。参加者からは、政府は軍備拡張を進めるよりも、国民生活の向上に財源を優先的に充てるべきだとの意見が相次いだ。2026年7月13日夜には、東京の衆議院第二議員会館で日本の政界、学界、法曹界等の代表数十人が集会を開き、自民党が最近進めている憲法改正に向けた一連の動きに反対し、自民党の動きを日本を「戦争国家」へと導く危険な行動であるとして、平和憲法を共同で守るよう各界に呼びかけた。
### Verification
世論調査では、憲法改正に対する国民の意見が分かれていることが示されている。
* 2026年5月3~4月の読売新聞社全国世論調査では、「改正する方がよい」とした人が57%、「9条2項を維持して、憲法に自衛隊の根拠規定を追加する」案に60%が「賛成」。高市首相在任中の国会での憲法改正議論進展を「期待する」人が54%。
* 2026年5月2日の共同通信社郵送世論調査では、改正の進め方について「慎重な政党も含めた幅広い合意形成を優先するべきだ」が73%、「前向きな政党で条文案作成作業に入る」が25%。9条改正の必要性は「ある」が50%、「ない」が48%と拮抗。
* 2026年5月2日の朝日新聞社全国世論調査(郵送)では、憲法を「変える必要はない」が55%、「変える必要がある」が37%。憲法9条についても「変えない方がよい」が68%、「変える方がよい」が27%。緊急事態条項追加への「賛成」は33%に対し、「反対」は52%と上回った。
* 2026年5月4日のJNN世論調査では、憲法を「改正すべき」が45%、「改正すべきではない」が40%。
* 2026年4月20日のFNN世論調査では、高市内閣支持率が2カ月ぶりに70%台を回復し、憲法改正への「自衛隊明記」に59.3%が賛成。
### Supplement
日本国憲法は1947年5月3日に施行されて以来、79年間一度も改正されていない。憲法改正には、国会の発議(衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成)と国民投票による承認(過半数の賛成)が必要である。自由民主党は結党以来、「現行憲法の自主的改正」を党是としている。
### Evidence
* 読売新聞社全国世論調査 (2026年5月3~4月)
* 共同通信社郵送世論調査 (2026年5月2日)
* 朝日新聞社全国世論調査 (2026年5月2日)
* JNN世論調査 (2026年5月4日)
* FNN世論調査 (2026年4月20日)
* Bignewsnetwork.com: [Roundup: Representatives from across Japanese society call for safeguarding pacifist constitution amid revision push](https://www.bignewsnetwork.com/news/279186946/roundup-representatives-from-across-japanese-society-call-for-safeguarding-pacifist-constitution-amid-revision-push)
憲法改正を巡る政治と市民の対立
### Summary
日本国憲法は1947年の施行以来79年間改正されておらず、高市早苗首相と自由民主党は「自衛隊の明記」「緊急事態対応」を含む4項目での改正を推進している。これに対し、市民団体は9条改悪や緊急事態条項導入のリスクを指摘し強く反対。世論調査では改正の必要性や進め方について国民の意見が二分されている。
### Body
日本国憲法は1947年5月3日の施行以来、79年間一度も改正されていない。憲法改正には、国会の発議(衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成)と国民投票による承認(過半数の賛成)が必要とされる。自由民主党は結党以来、「現行憲法の自主的改正」を党是とし、憲法改正の条文イメージとして「自衛隊の明記」「緊急事態対応」「参議院の合区解消」「教育の充実」の4項目を提案している。
高市早苗首相は2026年5月3日の憲法記念日に際し、憲法は「時代の要請に合わせて定期的な更新が図られるべきだ」と述べ、改憲への意欲を改めて示した。さらに、2026年5月上旬には、来年の党大会までに憲法改正の発議にめどを付けたいと発言し、具体的なタイムスケジュールに言及した。2026年6月18日には、憲法改正の具体的な手続きを定めた国民投票法改正案が衆議院の憲法審査会で、共産党を除く与野党の賛成多数により可決された。この改正案には、投票立ち会い人選任要件の緩和などが盛り込まれている。
**推進派の主張:**
高市早苗首相は、憲法が国の礎であり根幹であるからこそ、その価値を摩滅させないためにも「時代の要請に合わせて本来定期的な革新が図られるべき」と主張している。自由民主党も、憲法が制定・施行されてから70数年間一度も改正が行われておらず、大きく変化した国内外の環境に合わせて憲法にもアップデートが必要であるとの認識を示している。自民党は、自衛隊の活動が多くの国民の支持を得ているにもかかわらず、憲法学者の中には違憲論を唱える者がいる現状を問題視し、憲法改正により自衛隊を憲法に位置づけ、「自衛隊違憲論」を解消すべきだと主張している。具体的には、現行の9条1項・2項とその解釈を維持しつつ、自衛隊を明記し、自衛の措置(自衛権)についても言及すべきとしている。緊急事態条項の創設については、高市首相が東日本大震災のような大規模災害やテロなどに備え、国が迅速な対応を取るために必要であると述べている。これにより、緊急時においても国会の機能を維持しつつ、それが難しい場合は内閣の権限を一時的に強化し、迅速に対応できる仕組みを憲法に規定すべきとしている。参議院の合区解消は、人口減少が進む地域で合区が発生し、地方の民意が反映されにくくなっている現状を改善するため、各都道府県から必ず1人以上選出されるようにすべきだと自民党は提案している。教育の充実に関して、自民党は現行憲法では義務教育の無償化のみがうたわれているが、家庭の経済的事情に左右されない教育環境の充実が必要だと主張している。日本維新の会は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置の3点に絞り込み憲法改正原案を取りまとめており、憲法改正に前向きな国会議員が衆参両院で3分の2以上を占める現状で、議論を深めて国民に選択肢を示すべきだと主張している。国民民主党も、憲法の規範力を高めるための議論を進めるとしており、データ基本権、同性婚の保障、子どもの権利保障、首相の解散権の制限、臨時国会の召集期限の明文化、憲法裁判所の設置、緊急時における行政府の権限を統制するための緊急事態条項、憲法9条などを議論・検討する項目として挙げている。
**反対派の主張と懸念:**
憲法改正に反対する市民団体も活発な動きを見せている。「9条改憲NO!全国市民アクション」は、2017年に安倍政権下での憲法9条改正の動きに反対するため結成され、安倍首相辞任後も自民党政権下で進められる憲法改正に強く反対している。同団体は「九条の会」や「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などの市民団体と連携し、署名活動やデモ情報の掲載を行っている。市民連合は、2026年4月から「憲法9条改悪に反対する請願署名」を開始し、4月16日には新宿駅東南口でキックオフ集会を実施した。市民団体は、日本政府が近年、防衛予算の増額や安全保障政策の見直しを進め、戦後日本が歩んできた平和路線から逸脱しつつあることに懸念を示している。憲法9条の改正は、海外での無制限の武力行使に道を開き、戦後日本の「平和国家」としての国の形を「戦争国家」へと作り替えるものだと批判されている。特に、自民党の憲法9条改正案(自衛隊明記案)は、9条2項の戦力不保持の制約が自衛隊に及ばないようにし、「自衛の措置」を口実に集団的自衛権の全面的な行使、すなわち海外での無制限の武力行使を可能にするものだと指摘されている。自民党の小選挙区候補(東京13区)が、平和や安全を継続するために「場合によっては(国民に)血を流してもらわないといけない」と発言したことは、市民団体から強く批判されている。憲法9条は、第二次世界大戦の悲惨な結末に学び、恒久平和を宣言したものであり、時代遅れどころか、戦争のない世界を築く最も確かな保証であり、全世界に広げていかなければならないという意見も存在する。緊急事態条項の導入に対しては、緊急事態において内閣総理大臣に権力を集中させ、国民の権利を一括して制限できる仕組みの導入であり、政府にとって都合の良い「強い国」を作るための道具として憲法が利用されるリスクがあるとの懸念が示されている。憲法改正手続法については、国民投票運動における言論や表現の自由の最大限の尊重、公務員や教育者を含めた運動規制ゼロが原則との立場に立つべきだという意見が出されている。また、投票期日直前のテレビ等のスポットコマーシャルは禁止すべきであり、大きな団体や国会議員を多数抱える政党が有利に扱われないよう配慮すべきとの意見もある。日本弁護士連合会は、憲法9条の改正議論に対し、立憲主義を堅持し、恒久平和主義の尊重を求める立場から課題ないしは問題を提起するとともに、憲法改正手続法の見直しを求める決議を採択している。「新日本婦人の会中央本部」は、高市政権が改憲に前のめりとなり、戦後最大の憲法の危機と言われる状況の中、「私たちは戦争につながる憲法改悪に反対します-憲法9条改悪に反対する請願署名」を開始し、9月の臨時国会での提出を予定している。2026年7月12日には、東京・渋谷で市民が集会を開き、政府による軍備拡張と平和憲法の改正に反対の声を上げた。参加者からは、政府は軍備拡張を進めるよりも、国民生活の向上に財源を優先的に充てるべきだとの意見が相次いだ。2026年7月13日夜には、東京の衆議院第二議員会館で日本の政界、学界、法曹界等の代表数十人が集会を開き、自民党が最近進めている憲法改正に向けた一連の動きに反対し、自民党の動きを日本を「戦争国家」へと導く危険な行動であるとして、平和憲法を共同で守るよう各界に呼びかけた。
### Verification
世論調査では、憲法改正に対する国民の意見が分かれていることが示されている。
* 2026年5月3~4月の読売新聞社全国世論調査では、「改正する方がよい」とした人が57%、「9条2項を維持して、憲法に自衛隊の根拠規定を追加する」案に60%が「賛成」。高市首相在任中の国会での憲法改正議論進展を「期待する」人が54%。
* 2026年5月2日の共同通信社郵送世論調査では、改正の進め方について「慎重な政党も含めた幅広い合意形成を優先するべきだ」が73%、「前向きな政党で条文案作成作業に入る」が25%。9条改正の必要性は「ある」が50%、「ない」が48%と拮抗。
* 2026年5月2日の朝日新聞社全国世論調査(郵送)では、憲法を「変える必要はない」が55%、「変える必要がある」が37%。憲法9条についても「変えない方がよい」が68%、「変える方がよい」が27%。緊急事態条項追加への「賛成」は33%に対し、「反対」は52%と上回った。
* 2026年5月4日のJNN世論調査では、憲法を「改正すべき」が45%、「改正すべきではない」が40%。
* 2026年4月20日のFNN世論調査では、高市内閣支持率が2カ月ぶりに70%台を回復し、憲法改正への「自衛隊明記」に59.3%が賛成。
### Supplement
日本国憲法は1947年5月3日に施行されて以来、79年間一度も改正されていない。憲法改正には、国会の発議(衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成)と国民投票による承認(過半数の賛成)が必要である。自由民主党は結党以来、「現行憲法の自主的改正」を党是としている。
### Evidence
* 読売新聞社全国世論調査 (2026年5月3~4月)
* 共同通信社郵送世論調査 (2026年5月2日)
* 朝日新聞社全国世論調査 (2026年5月2日)
* JNN世論調査 (2026年5月4日)
* FNN世論調査 (2026年4月20日)
* Bignewsnetwork.com: [Roundup: Representatives from across Japanese society call for safeguarding pacifist constitution amid revision push](https://www.bignewsnetwork.com/news/279186946/roundup-representatives-from-across-japanese-society-call-for-safeguarding-pacifist-constitution-amid-revision-push)